社員への福利厚生で節税できる?
社員への福利厚生は、かかったコストの分だけ節税できます。
社員の満足度やモチベーション、安心感へ繋がるので福利厚生での利益還元は積極的に還元しましょう。
考え方によっては福利厚生による間接的な還元よりも、昇給や賞与、ボーナスなどで直接的な賃金(給料)として還元した方がいいと考える方がいます。
たしかに社員が働く目的はお金を得ることですが、社員を育てるマネジメントという観点で見れば福利厚生による間接的な還元は非常に効果的で低リスクです。
福利厚生の種類
福利厚生は大きく分けて「法定福利厚生」と「法外福利厚生」の2種類があります。
法定福利厚生
- 健康保険
- 厚生年金
- 介護保険(満40歳以上)
- 雇用保険
- 労災保険
- 子供・子育て拠出金
上記が法定福利厚生の種類で、原則として社員(フルタイム勤務者)に対して提供するように法律で定められています。
健康保険や厚生年金は会社と従業員で折半します。雇用保険は会社が2/3を負担、労災保険は10割会社負担など負担率が法律で決まっています。
法定福利厚生は節税対策ではなく会社(雇用主)の義務ですので、必ず必要な保険・年金等へ加入してください。
法定外福利厚生
法定外福利厚生は会社などが任意に付けられる福利厚生ですが、経費として認められるには一定の要件があります。
主な法定外福利厚生の種類をご覧ください。
- 住宅手当
- 社宅や寮の提供
- 健康診断
- 人間ドック
- 慶弔
- 育児や介護に対する手当や休暇制度
- セミナー
- 資格取得支援、資格手当など
- 各種休暇制度
- 社内イベント
- 社員食堂の導入
- 自社サービスの社員割引
- スポーツジムの法人会員(利用券の付与、割引など)
- プロスポーツ観戦の年間シート
- 食事補助
- レクレーション的なイベント
- 社員旅行
- 財産形成(確定拠出年金など)
- 施設やイベントの割引制度
住宅手当など月々の安定した収入源になるものや休暇制度も、一部で法定外福利厚生に含まれます。
社員の立場から見た場合、住宅手当や資格手当は雇用条件の一部で健康診断の実施は当たり前のことだと思っているケースが多いです。
一般的に福利厚生が充実している会社は、社員食堂やイベント、各種割引制度などに魅力がある内容になっています。
コストをかけるだけではない
そもそも福利厚生とは、企業が従業員に提供する「給料以外の報酬、サービス」の総称です。
たとえば食事に関する福利厚生は格安の社員食堂を用意するだけではなく、企業向けの安い弁当配達サービスを導入するのも立派な福利厚生です。
コストをかけない方法もあるので、利益が出ている時だけ見直しや検討をするのではなく、常に福利厚生の充実へ向けてできることがないか考えるようにしてください。
福利厚生のメリット
福利厚生の大きなメリットは次の2つです。
- 社員側の節税効果
- 継続できなかった時のリスクが低い
それぞれ詳しく解説します。
節税効果は主に社員
会社の節税をしたい場合、給料や賞与で従業員へ還元するだけで十分です。
しかし、給料など直接的なお金で従業員に還元した場合、課税所得として社員の税負担が高まってしまいます。
福利厚生は社員の収入を変えずに働きやすさや生活環境の改善、仕事の待遇を良くできるため、社員側の立場でみた節税効果が大きいです。
福利厚生は撤廃しやすい
コストをかけた福利厚生は会社の利益が減ってしまった際に撤廃しやすいです。
もちろん不満の声が出ることやモチベーション低下へ繋がる懸念はありますが、減給やボーナスカット、手当の廃止に比べて社員の理解を得られやすいです。
会社の利益が出て社員への還元で節税対策をしたいけど、将来的に今の利益を維持できるか分からない場合は福利厚生での還元を検討しましょう。
ただし、どれだけ福利厚生を充実させても給料が低すぎれば優秀な社員が定着しません。
給料などお金での直接還元と福利厚生の充実による間接還元のバランスを取りながら、社員が満足できる環境を用意してください。