減価償却を上手に使って節税するコツ【計上できるもの・できないもの】

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減価償却を利用して節税を

 

バッチリ節税効果の恩恵を受けているビジネスマン

減価償却とは会社(法人)や個人事業主の保有する資産を複数年にわたって経費計上できる制度で、資産価値が残るものを10万円以上の価格で取得した場合は減価償却しないといけません。
消耗品などで計上できる10万円以下の備品購入に比べて事務処理が面倒ですが、事業の利益が出た際は減価償却を利用して賢く節税しましょう。

 

関連項目:設備投資は節税対策に有効?

 

主な減価償却資産

 

減価償却資産として購入されることが多い物の一例をまとめました。

 

  • バイク
  • 不動産(建物)
  • 敷地内の舗装
  • 事業所の増改築
  • パソコン
  • スマホ
  • エアコン
  • 可動間仕切り(パーテーション)
  • 事務机、事務椅子、収納棚など
  • 家具(応接用のソファーなど)

 

このほか、資産として残るもので取得価格が10万円を超えた場合は、原則として減価償却資産になります。
車やパソコンでも10万円以下で取得したものは減価償却ではなく、通常の経費(消耗品等の仕訳)で計上できます。

 

 

減価償却できないもの

 

以下のものは減価償却できません。

 

  • 土地
  • 借地権
  • 骨董品※
  • 書画※
  • 電話加入権
  • ゴルフ会員権

※美術品等は例外的に減価償却が認められるケースがあります。

 

減価償却の原則は、10万円超えの有形・無形の固定資産で耐用年数の範囲内であれば数年後でも価値が残り、使用可能な間は売って収入を得ることができることです。

 

資産価値が残ることに加え、時間の経過で価値が減少するものでないといけません。
10万円を超えるものでも、仕入れ費用や研究費、セミナー費などは項目に応じた仕訳で経費計上します。

 

 

減価償却する際のポイント

 

減価償却は定められた耐用年数に応じて、期間内で償却しないといけません。

 

車や分譲マンションなど中古を買った際は、耐用年数-経過年数で減価償却期間を算出します。
減価償却は定額法と定率法の2種類があり、定額法は単純に取得額を耐用年数で割った金額で毎年均等に償却(経費計上)していく方法です。

 

たとえば耐用年数6年の乗用車(新車)を600万円で買った場合、定額法であれば100万円×6年で減価償却します。
定率法は減価償却額を一定範囲内で毎年変更することが可能です。600万円の新車を買った場合、1~3年は150万円で4~6年は50万円などのやり方で償却できます。

 

定率法は資産(カテゴリー)ごとに定められた償却率の範囲内で行う必要があるため、国税庁のホームページを見て正しく理解しながら行うか税理士などの専門家へ相談してください。
会計ソフトによっては、減価償却の入力内容が間違っているとエラー表示で知らせてもらえます。

 

 

必要に応じて中古を検討

 

節税対策を考えるビジネスマン

減価償却は複数年にわたって経費を分散できる制度ですが、一時的に利益が増えた場合など今期の決算で利益を削る節税対策をしたいシーンにはコツがあります。
たとえば乗用車の場合、制度上3年10ヶ月以上経過した中古車で定率法を活用すれば、1年でまとめて償却する裏ワザがあります。

 

直近の決算で集中的な節税対策をしたい場合は、税理士などへ相談した上で中古品など耐用年数が短いものの取得を検討しましょう。

 

30万円以下の特例

 

資本金の額が1億円以下の法人もしくは個人事業主には「少額減価償却資産の特例」という制度があり、30万円未満のもので1期あたり合計300万円以下は1年でまとめて償却することが可能です。
通常の経費とは違い減価償却資産として決算申告する必要がありますが、比較的簡単な手続きで節税対策できます。