法人税とは一体何なのでしょうか?税率も合わせてご紹介します。

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法人税とは?個人事業主とどう違う?

 

事業者が納めなければならない税金には、いくつかの種類があります。

 

税金について考える女性

そしてこの税金は、事業者が法人であるか、個人事業主であるか、それともその他の団体または個人であるかによって変わってきます。

 

その中で最も代表的なものを挙げると、やはり法人が納める法人税ということになります。法人税は法人にとって最も身近な税金です。

 

このページではまず、この法人税の基本的な知識を紹介していきたいと思います。

 

法人税とは

法人税とは、株式会社などの法人が得た各事業年度毎の所得に対して掛けられる税金です。

 

個人が利益を得た場合には所得税の納税が必要になりますが、これが法人の場合には法人税の納税が必要になるのです。

 

つまり、法人にとっての所得税が法人税であると言えます。

 

関連記事:法人税の申告までの一連の流れについて

 

法人税の課税対象となる所得

法人税は法人が得た全ての所得に対して課税されるわけではありません。
課税対象となるのは、以下の4つの所得です。

 

  • 会社が事業活動を行った各事業年度の所得
  • 会社が解散したときの清算所得
  • 法人課税信託の所得
  • 退職年金など積立金

 

これ以外の所得に関しては法人税の課税は行われません。ちなみに、一般的に法人税と呼ばれているのは1つ目の各事業年度の所得に課せられる税金です。

 

法人税を納めなければならない法人

法人と一口に言っても色々な種類があり、その中には法人税を納めなければならない法人とそうでない法人とがあります

 

法人税の納税が必要になるのは、以下の5つの法人です。

 

  • 普通法人 株式会社、有限会社、医療法人などが該当する。
  • 協同組合 共通通の目的のために集った個人や中小企業の組合で、農協などの各種協同組合や信用金庫などがこれに当たる。
  • 人格のない社団 多数の人や財産などが同じ目的のもとに集まっている法人格を持たない団体で、PTAや町内会、自治会、同窓会などがこれに当たる。基本的には非課税であるが、収益事業がある場合に税務上の法人とみなされて法人税が課税される。
  • 公益法人 公益を目的とする営利目的ではない法人で、社団法人、宗教法人、学校法人などがこれに当たる。基本的には非課税であるが、収益事業がある場合には法人税が課税される。
  • 公共法人 地方公共団体や金融公庫など、公共性のある目的を持った法人がこれに当たる。基本的には非課税であるが、収益事業がある場合には法人税が課税される。

 

 

法人税の税率

税率のイメージ

 

さて、次に法人税の税率について見ていきましょう。

 

法人税の税率には、法人の種類、資本金の規模、所得金額によって違いがありますが、ここでは最も一般的な普通法人の税率を紹介します。

 

まず、資本金1億円超の普通法人の場合、法人税率は所得金額の23.9%となります。

 

他方、資本金1億円以下の普通法人の場合には、所得金額が800万円以下であれば、法人税率は15%となります。

 

また所得金額が800万円以上の場合には、法人税率は所得金額の23.9%となります。

 

これが、普通法人の法人税率です。

 

ちなみに、人格のない社団等・公益法人・公共法人が収益事業で得た所得に対する法人税の税率は、資本金1億円以下の普通法人の場合と同様に15%となっています。

 

資金調達が税金対策になる事も

原則として法人税や法人事業税(均等割り付けを除く)は、当該法人の利益に対して課されます。
そのため、最もオーソドックスな税金対策は利益を圧縮してしまう事です。
例えば「設備を整える」「社員へボーナスを支払う」といったように、費用を支出する事は利益の圧縮に繋がりますので、“使ってしまう”というのは非常に有効な税金対策と言えます。
また、資金調達の際発生したコストについても費用計上が可能であるため、手数料が発生する「ファクタリング」や「手形割引」等で資金繰りを行う対策方法もあります。

 

 

法人と個人事業主の税金の違い

同じ事業者であっても、法人と個人事業主では異なる部分が多々あります
最も分かりやすいのは納めなければならない税金の違いです。

 

個人事業主の場合には所得税を納めなければなりませんが、法人の場合には法人税を納めなければならないのです。

 

そして、納めなければならない税金が違うということは、それだけ税率と税額が違ってくるということでもあります。

 

例えば、年間の所得金額が800万円以下の中小法人であれば、既に述べた通り税率は15%となります。

 

しかし、これが年間の所得金額が800万円以下の個人事業主であれば、所得税率が23%のため、同じ所得額でも納税する税額は法人の場合よりも大きくなってしまいます。

 

おそらく、この例だけを見るとほとんどの方が「法人税の方が安いんだ」と思われるはずです。しかし、実際には必ずしも法人税の方が安くなるわけではありません

 

何故なら、所得税の税率が所得の額に応じて6段階で変わるのに対して、法人税の税率は2段階でしか変わらないからです。

 

例えば法人税率の場合、所得金額が800万円以上になれば、それ以上税率が上がることはありません。そして、この800万円という所得額が個人事業主から法人へと変わる一つの壁だと言われています。